もっとディープなニューヨーク情報

logo

2017年 10月 23日

鏡の中の最高の笑顔を増やしていければ

0412-19men-tokuyama-L

とくやま たかひで 1980年大阪生まれ。高津理容美容専門学校卒業。日本でスタイリストとして活躍後、24歳で渡米。現在、マンハッタン内に「Tokuyama Salon」を2店舗展開。

美容やファッション、アートなど常に世界最先端の“美”を追求する街、ニューヨーク。その中でも多くのサロンがしのぎを削る“美の激戦区”、アッパーイーストでヘアサロンを開業し、成功を収めたトップスタイリストがいる。徳山隆偉さん、34歳。パリス・ヒルトンなどのセレブのスタイリングを手がけ、「NYLON」や「VOGUE」などのファッション誌にも携わる、美容業界では名を知られた存在だ。「世界一厳しい目を持つ」と言われるニューヨークの顧客に愛される「Tokuyama Salon」のオーナー、徳山さんにお話を伺った。
◇ ◇ ◇
―美容師を目指した理由は。
徳山さん きっかけは「初めての反抗」ですね(笑)。子供のころから、ずっと兄の背中を追いかけてきました。趣味も服装も、何もかも真似(まね)ばかり。でも将来の事を考えると、カメラマンである兄の仕事までは真似をしたくない。そこで手に職を付けられ、自分を表現できる仕事、美容師になることを決意しました。しかし、いざ始めると、雑用や洗髪などの地味な業務ばかり。毎日怒られ、歯をくいしばりながら仕事をしていました。
―24歳で渡米された、そのきっかけは。
徳山さん 入社4年目、ようやくスタイリストになったころ、ニューヨークで仕事をしていた兄が、現地のファッション誌を持って帰ってきました。何気なくページをめくった瞬間に、圧倒されましたね。モデルの個性を生かした美しいスタイリングを見て、「自分もこの場所で働きたい」と強く思うようになりました。そのためにはコネクションと実力が必要。1年間は日本で仕事を続け、技術力をがむしゃらに磨き、自分に自信が持てた時に渡米を決めました。結局、兄の後を追いかけて来たんですよ。(笑)
―渡米後のキャリアアップは、順調でしたか。
徳山さん とんでもない、苦労の連続です。日本での貯金も、語学学校の費用を払うとスッカラカンに。友人の髪を20ドルで切らせてもらう傍ら、ニューヨークのサロンに「何でもやりますから働かせてください」と片っ端から電話をかける毎日でした。その甲斐(かい)あって、有名サロンのトップスタイリストのアシスタントになることができましたが、給与は一切なく、仕事はシャンプーだけ。一日働いても、チップでもらえるお金が15ドル程度だったので、生活は本当にきつかったですね。なけなしのお金でアパートを借り、その部屋をまた貸ししながら自分はリビングに寝泊まりすることで、なんとか暮らしていました。
労働条件の悪さに悩んだり、上司に啖呵(たんか)を切って職場を変わったりと、挫折の経験は数えきれません。それでも変わらなかったのは、「今の立場で自分ができる最上のことをしよう」という決意です。ブローを手早く、最高の仕上げにすることでお客さまに喜んでいただいたり、掃除一つでも心を込めて行ったりと…。すると徐々に「優秀なアシスタントがいる」という噂(うわさ)が広がり、ファッション誌撮影の手伝いにも呼ばれるようになりました。地道に信頼を積み重ねた結果、渡米後2年半でスタイリストへと昇格することができたのです。
―そのころから独立して店を持つ夢を描き始めたのですか。
徳山さん そうですね。当時、十数人以上の美容師の育成を手掛けていた私は、彼らの技術力や収入の向上につながる方法ははないかと考え、出張美容師のウェブサイトを立ち上げました。その時、ゼロからビジネスを生み出す事の面白さを覚え、経営に興味を持ち始めたのです。そして31歳の時、自分の店を持つことを決意。最初はお客さまが一日1人という日もありましたが、徐々に口コミで評判が広まって…。今ではおかげさまで、米国内はもちろんロンドンやパリからもお客さまがいらっしゃる店になりました。

0412-19men-tokuyama-M1

2号店となるイーストビレッジ店の店内

―“34歳のサロンオーナー”というと華やかなイメージがありますが、成功の裏に相当な努力があったのですね。最後に、今後の展開についてお聞かせください。
徳山さん 3月1日、イーストビレッジに新店舗をオープンさせました。内装にもこだわりましたので、ぜひ一度見にきていただけるとうれしいです。日本人は「ナチュラルな可愛さ」を好む方が多いですが、私たちのサロンでは「セレブのようなエレガントなスタイルに挑戦して、ニューヨーク生活を楽しみたい!」というお客さまも多くいらっしゃいます。新店舗にも実力派のスタッフがそろっていますので、骨格、髪の量や色、肌の色や頭の形に合わせて“似合うポイント”を押さえ、自宅でも再現しやすいヘアスタイルを提案することが可能ですよ。
スタイリングが終わって“新しい自分”を見た時のお客さまのうれしそうな顔。どんなに店が拡大し、私自身の立場が変わっても、その笑顔を見ることができた瞬間が一番うれしいですね。これからもさらにスタイリストとして、経営者として腕を磨き、鏡の中の最高の笑顔を増やしていければと思っています。
◇ ◇ ◇
Tokuyama Salon www.tokuyamasalon.com
▪アッパーイースト店
【営業】午前10時~午後8時(年中無休)
【住所】230 E 83rd St, NYC【電話】646-666-8565
▪イーストビレッジ店
【営業】午前11時~午後8時(火曜定休)
【住所】627 E 6th St, NYC【電話】212-260-7607

※新規来店者は全メニューが30%オフ
徳山さんのカットのみ40%オフ(4月末まで)

(「WEEKLY Biz」2014年4月12日号掲載)


久保田玲奈さん

〈ピープル〉彫刻家、久保田玲奈さん

指輪自体から語りかけられる〝声〟を感じ、アートに 指輪をモチーフにオブジェ作り   突如マンハッタンの公園に現れる巨大なリンゴの指輪「Ringo」、指輪が常識を超えた姿で語り出す「A Tale of Rings […...

スポーツやダンス、体を使う人のための解剖学レクチャー

「腕を使いこなす 1:肩甲骨」を実施 Orthopedic Movement PT, PLLC(OMPT)の理学療法博士、瓜阪美穂先生が4月12日(水)、スポーツやダンス、体を使う人のための解剖学レクチャー「腕を使いこな […...
淡路茜

〈ピープル〉メークキャップ・アーティスト、ネイル・アーティスト淡路 茜さん

新しいものを生み出していくエネルギーにインスパイアされる ディオール、サンローランなどの広告やショーに参加     才能が集まる街ニューヨーク。ここでまた日本からやってきた美のスペシャリストが才能を発 […...

〈ピープル〉ニューヨークで活躍する日本人女性アーティスト MEMIさん

女性性についてさらに掘り下げていきたい 芸術の街ニューヨークで活躍する日本人女性アーティスト、MEMIさん。グラフィックデザイナーでありながら、ファインアート作品も発表し続けている。 ◇ ◇ ◇ 女子美術大学(東京都)出 […...

〈ピープル〉写真家・ウエディングプランナー キヨコ・ホルバートさん

「キロスタジオ」経営 本当に家族のような気持ちに 写真家でありながらウエディングプランナーとしても活躍するキヨコ・ホルバートさん。ドキュメンタリー・カメラマンの夫と共に「キロスタジオ」を設立し、今年で26年。撮影の仕事と […...

〈インタビュー〉「Tokuyama Salon」オーナー 徳山 隆偉さん

鏡の中の最高の笑顔を増やしていければ 美容やファッション、アートなど常に世界最先端の“美”を追求する街、ニューヨーク。その中でも多くのサロンがしのぎを削る“美の激戦区”、アッパーイーストでヘアサロンを開業し、成功を収めた […...