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2017年 08月 22日

正しい歴史認識という対策で
不当に汚される日本の名誉を守る

 

講演を聴き入る聴衆=6日、ニューヨーク(撮影:池浦)

講演を聴き入る聴衆=6日、ニューヨーク(撮影:池浦)

 

ニューヨークとニュージャージー在住の日本人女性が立ち上げた団体「ひまわりJAPAN」が主催する第2回講演会が6日、ミッドタウンの4W43ソーシャル・ホールで開催された。司会は同団体の副代表・永門洋子さんが務めた。会場は男女半々ぐらいの聴衆で埋まった。

今回の大テーマは、「『このままでいいのか、日本! 2017』〜取り戻そう! 日本の歴史と日本人の誇り〜」。昨年、大盛況で幕を閉じた講演会に続き、3人の識者を講師に招き、それぞれの演題で語られた。

開会にあたり、同団体代表の黒田智子氏から、発足から1年の今までの活動報告などが語られた。事前には多くの資料が配布され、聴衆は目を通しながら、講演に聴き入った。

 

開会であいさつをする、「ひまわりJAPAN」代表の黒田智子氏=同

 

ず髙橋史朗・明星大学特別教授

慰安婦共同申請には厳しく検証を
「登録には直ちに反論」と主張

髙橋史朗・明星大学特別教授が問題提起

まず髙橋史朗・明星大学特別教授が演壇に立った。

「ユネスコ『世界の記憶』制度改善と慰安婦共同申請」というテーマで語る髙橋氏は年に2回は歴史認識に関する学術書を執筆しているという。できるだけ英語で発信しているという高橋氏は国際諮問委員会(IAC)で決定したユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」の説明から始めた。

「世界の記憶」とはユネスコの事業の一つで、損失の危機にある文書や映像フィルムなどの記録を保存し、未来の世代に引き継ぐためのもの。誰でも普遍的にアクセスできるのが前提であるが、2年前に登録された「南京大虐殺の記録」は公開されておらず、「噴飯もの」だという。

これに続き、中国など8カ国・地域の14団体が「日本軍『慰安婦』の声」を共同申請しているといい、これは恐らく決定されるだろうと予測されていると髙橋氏は述べ、「総括して、厳しく検証をしないと“南京”の時の二の舞を踏むことになる」と警告した。

これはどういうことかというと「世界の記憶」の登録に関しては、趣旨に反する決定が行われる場合は反論できる。ところが、日本政府は「南京大虐殺の記録」の登録の際には事実に踏み込んだ反論をしてこなかったという。また、登録小委員会(RSC)がIACに勧告決定する前に働きかけなかったことが大きな原因とし、今まさに“慰安婦”の共同申請が決定されるこの時期に、日本は何をすべきか問題提起をしたいと語った。

また、髙橋氏はユネスコ事務局の対応が二重基準になっていることにも触れた。ユネスコが日本関連候補の一部の「政治的案件」を審議対象から外す理由を「歴史的な判定や解釈はしない」「政治的党派性を有するとの非難を受けてはならない」としたことに関し、前述の「日本軍『慰安婦』の声」文書は問題視されていないことを指摘した。

髙橋氏は“慰安婦”の共同申請の問題点を一つ一つ丁寧に挙げ、詳しく説明した。

もともとはユネスコ側の要請で共同申請となったものに二重基準がうかがえるのを非常な懸念とする髙橋氏は「仮に登録申請されるとなれば、直ちに反論しなければならない」と述べた。

現在、「世界の記憶」が政治的濫用(らんよう)される懸念から制度改善に関する専門家会合が開かれおり、この事業を保護する枠組みが必要であることも紹介された。

最後に、ニューヨーク、ニュージャージー、トロントで聞いたいじめの問題にも触れた。歴史教科書など、背景にある事態を広く調査することが必要と述べ、大事なことは悩んでいる親子をいかにサポートするか。そして、歴史認識に対してきちんと反論する材料を親子で共有して、事実を英語で発信することだという。不当に汚される日本の名誉を守らねばならないと語り、「ニューヨークでも『「ひまわりJAPAN」』などを中心として、大いに日本にいるメンバーとも提携して良い方向にけん引していければ」と締めくくると会場は大きな拍手で包まれた。

 

山岡鉄秀氏

一人一人が考えなくてはならない問題
「反論よりも立論」が大事

山岡鉄秀氏が実践に基づいて提案

次に演壇に立ったのは、豪州のAustralia-Japan Community Network(AJCN)代表で公益法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀氏。「朝日グレンデール訴訟判決 補足説明と今後の課題」というテーマで語られた。まずはその裁判内容から説明し始めた。これは、朝日新聞が慰安婦強制連行発言を事実として報じ、誤報と分かった後も放置することで誤った見解が世界に広められ、不名誉を押し付けられたとして、日本国内の日本人と在米邦人が朝日新聞社に主要米紙へ過去記事撤回と告知広告掲載などを求めたもの。この第一審は棄却で、理由は枠組みが曖昧過ぎて因果関係が認められないからだという。「日本人の名誉の回復」を求めて、控訴されたが、この「国際的な名誉」は過小評価すべきではないと山岡氏はいう。

では、具体的にはどういうことなのか。山岡氏は「慰安婦記事」に際し、日本語で書かれてたものと英語で書かれたものを比較してみたという。すると日本語で書かれていないことが英語版のみで説明として書かれており、「慰安婦」は、記事ごとに” forced to provide sex “と追記されているという。これを、英語圏のネーティブスピーカーが読むと「慰安婦」という言葉には、「強制連行」されたものと思ってしまう。朝日新聞が日本語で「従軍慰安婦の強制連行説」の記事を全面取り消し謝罪文を掲載したが、その後も日本国外のメディアでは前述の追記が行われているという。そのため、邦人が今でも人前で罵倒されたり、脅迫されることもあるという。

では、外から内からの“攻撃”にわれわれはどう立ち向かえば良いのか。

まず必要なのは情報収集強化を挙げた。より多くの人からより多くの情報を得ることが望ましい。何かあったら「ひまわりJAPAN」に躊躇(ちゅうちょ)することなく直接話してほしいと語った。「なかったことにする、もう面倒くさいという次元ではない」ではないので少しでも多くの情報を拾っていきたいと語った。

また、情報を収集する側と提供側とのギャップに付いても語られ、母親が領事館に被害を話すのはリスクが伴うが、「ひまわりJAPAN」や自身の団体であるAJCNが代わりに訴え、母親を矢面に立たせないことを請け負うので「安心して話してほしい」と述べた。そして民間がそのギャップを埋めていく必要があると述べた。

いじめなどが起こった場合の理論武装に付いては「経験に基づいた提案」として「議論のフレームワークを再構築せよ」とした。

本当に分かってほしいのは「反論よりも立論」であること、自分の立ち位置を明確にすることを強調した。相手がどう思っているか構わない、私はこう思っているというのが立論だが、これが日本ではできないという。

「慰安婦」の問題は国家の問題ではなく、一人一人が考えなくてはならないところまできている。今日、この部屋から新たなモーメントを生み出したい。何か思うことがあったらわれわれに話しにきてほしいと締めくくると大きな拍手が起こった。図式やポイントなどにスライドなどを使って分かりやすく、実践に基づいた話に、聴衆は深く聴き入っていた。

 

「侵略」というキーワード
戦後失われた歴史観に深刻な問題

高崎康裕氏が指摘

2氏の話を受けて、ニューヨーク歴史問題研究会会長の高崎康裕氏が演題に立った。

「『気高く、勁く、美しき国を目指して』〜近現代史の呪縛を解き国家への目醒めを〜」というテーマで語られた。

まずは慰安婦問題、南京大虐殺の問題はどこが起点になっているのということから語られた。

「侵略」というキーワードを取り上げた高崎氏は刷り込みから抜けきれていないという。「侵略」はもともと確立した定義はなく、歴史的には「勝者が敗者に貼ったレッテル」だという。「侵略」によって隠された災厄として共産主義を取り上げ、説明がなされた後、「戦争責任」という言葉の意味も丁寧に説明された。

日本が「侵略戦争」をしたのかどうかに関しては、満州事変からさかのぼり、支那事変、日米開戦の要因などが解説された。
開戦の要因にあたっては国内の政治的混乱や、軍の指令系統から、世界情勢、対日工作などが、当時の写真付きで取り上げられ、いかに開戦に追い込まれていったかが説明された。開戦の詔書などにも触れ、日米開戦が「侵略」という目的ではないことが明白であると説いた。特に「大東亜戦争」の呼称についても紹介された。この戦争の目的は自存自衛のためでなおかつ、アジア非植民地体制を打破して新アジアの秩序の構築を目指すもので、それを明確に示す言葉が「大東亜戦争」であり、決して侵略戦争ではなかったと語った。アジア各国首脳からの日本を賞賛する評価も紹介され、「こういった“大東亜戦争”の意義を日本人は忘れて、“日本人は悪いことをした”という贖罪(しょくざい)意識から立ち上げれない」とした。

日本が侵略国家と言われるのは東京裁判史観だと高崎氏は語り、その詳細が説明された。

BBCの世界世論調査も紹介され、世界で最も良い影響を与えているのは日本であるのに、自国の評価が低いのも日本だと述べ、その原因は占領政策の影響だと説いた。

戦後に失われた国家観、歴史観に深刻な問題があるとし、今まさに、「歴史戦争を勝ち抜く覚悟が試されている」と述べた。

国家とは何かと問い掛け、これは祖先からの大切な預かりもので、子孫に伝えていくべきもの。今のわれわれを超えた存在という認識が洋の東西を問わず、訴えられてきた。この認識は「『日本がなくなる』という危機意識」につながり、われわれが持つべきと強調した。そのためには歴史力を磨くことが大切と語った。

最後にニューヨーク歴史問題研究会の例会で何度も紹介された三島由紀夫の「果たし得ていない約束」を取り上げて締めくくると会場は多くの拍手が起こった。

引き続き邦人をサポート

「ひまわりJAPAN」代表の黒田氏は、本社の取材に際し、以下のようなコメント寄せた。

ニューヨーク・ニュージャージー地域の保護者らからは昨今、「『アンブロークン』や『ザ・コーヴ』の映画や本を使った授業が行われた」「東海としか表記されていない世界地図が教室に貼られている」など中国・韓国の政治的思想が反映した偏向教育の実態が報告されてきています。「在米邦人の皆様に正しい日本の歴史と、現在日本が置かれている状況をお伝えしよう」と始まった講演会は今年で2回目を迎え、歴史認識問題において第一線でご研究・ご活躍されている3人の先生をお招きし、問題の背景や対処法、日本人としてこれからどうあらねばならないかなどをお話しいただきました。日本人の子供たちが日本人であることに誇りをもって世界へ羽ばたく人間へと成長するように、「ひまわりJAPAN」はこれからも日本政府・領事館・関係諸団体と共に邦人サポート活動を行ってまいります。

会場では関連書籍の販売や無料配布も行われた。休憩時間には多くの人が、壁に貼られた韓国での反日活動の写真に見入っていた。

 

〈講演を終えて〉

髙橋氏「大変問題意識の高い方が集まった」
50分の講演を3本という講演会はほとんどないが、最後まで熱心に聴いていただいたということは大変問題意識の高い方がお集まり戴いているのかなという印象を持ちました。

山岡氏「日本ではショックを受ける人が多い」
「立論をしなさい」「あいまいなことを言ってはダメ」ということに関しては日本で同じことを語るともっとショックを受ける人が多い。米国では体験で分かっているんでしょうね。

高崎氏「自虐史観からの脱却を」
韓国や中国からの対日歴史攻撃の本質は、徹頭徹尾それぞれの国益を追求しようとする政治意思の表れだという認識が必要。先の大戦の敗戦後に刷り込まれた自虐史観からの脱却が、今こそ求められていると思います。

同団体では、趣旨に賛同するメンバーの入会を受け付けている。また、一緒に活動してくれるボランティア会員も募集中。詳しくはinfo@himawarijapan.orgまで問い合わせを。

また、在米邦人や保護者らからの学校での異変や被害報告などを匿名でも受け付けている(himawarijapan.org/contact/)。

【ウェブ】himawarijapan.org/

(2017年7月15日号掲載)


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