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2017年 12月 15日

龍村ヒリヤー和子〜情熱とコンパッションの半生記〜

第3回 ダライ・ラマ14世との出会い(1)NY公演を提案

日本人として初めてお会いしたダライ・ラマ14世とのことを聞きたいという方も多いので、その話をしましょうね。

きっかけはチベットの「民族オペラ」

1971年に雑誌「ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)」で、チベットの「民族オペラ(Tibetan opera)」の写真を見たのがきっかけでした。

当時、私は国際興行家として珍しい舞台芸術を色々探していたので、この写真を見た時これは観に行かなければ!と思い、情報を探しました。でもインターネットがない時代ですからね、電話帳で探したけれど情報は一つもなく、チベットのレストランがニューヨークに当時一つだけあって、そこへ行ったら少しでも何か分かるかと思いきや、店員さんに「チベットの国は無くなっちゃって、ダライ・ラマもインドに亡命しているんだよ」って言われてしまったんです。その頃、私はチべットの事も、ダライ・ラマ様の事も全く無知でした。

でも民族オペラを諦められなくて、2日後にまたそのレストランに電話をしました。すると、「今月、ダライ・ラマ様のオフィスがニューヨークに出来たよ」と言うのです。それでオフィスを訪ねてみたら小さい机と電話があるだけ。ダライ・ラマ14世の第1秘書のご兄弟がいらして、この方が何と私の京都にいる弟に「生き写し」と言えるほどそっくりだったので、びっくりしてしまって! 日本人とチベット人の遺伝子が関係あるなとこの時思いました。(実際に日本人男性とチベット人男性は共通のDNAを持っているという調査結果が有るそうです。)そして、色んな話をしているうちにダライ・ラマ様に会いに行って、民族オペラを調べてみようということになったのです。

行くのも入国も大変なチベット

チベットの国は古くからヒマラヤ山脈の険しい高いところにあって、人民は主に遊牧民族と仏教徒でした。“永遠のシャングリラ(理想郷)”といわれていて、そこに行くのはそれは大変。そして長年鎖国のようになっていて、他国からは人が入れませんでした。

ロシアと英国(インドは植民地でした)、そして中国から時々攻められましたが、49年に中国共産党の中華人民共和国が樹立してからはチベットは中国から徐々に支配と占領を受け、ついに59年3月、ダライ・ラマ14世は命を狙われ、変装して夜中に母国を脱出されました。ヒマラヤの険しい道を越えて、インドの国境の町、タワン(Tawang)という村(私の援助している児童養護施設があるところ)に到着。そしてダラムサラ(Dharmasala)というところに拠点を置き、もう60年近く亡命生活をされています。

◇ ◇ ◇

次回(10月21日号掲載)はニューヨークから80時間かけてようやく到着したダラムサラでのことを書きます。

◇ ◇ ◇

●ダライ・ラマ(Dalai Lama)法王14世●
チベットの法王であり精神的指導者。1935年7月6日、チベット東北部(アムド)のタクツェルという小さな村の農家に誕生、2歳の時にダライ・ラマ法王13世の転生者と認定されました。ダライ・ラマ14世は仏陀の慈悲を象徴する菩薩で、チベットの守護尊である観音菩薩の化身と信じられています。
チベットの自由を獲得するために非暴力による闘争を続けてきた実績から、89年にノーベル平和賞を受賞されました。世界中を歴訪し、平和、非暴力、異宗教の相互理解、普遍的な責任と思いやりなどの発信力が評価され、延べ150以上の賞や名誉博士号などを受賞されています。ほかの宗教の指導者たちとの対話を積極的に行って、異なる宗教間の調和や相互理解を図るためにさまざまな行事に多く参加されています。

●ダラムサラ●

インドのダラムサラ

インドのダラムサラ

ダライ・ラマ法王が60年近く亡命生活を送っているダラムサラ(Dharmasala)。チベット亡命政府は1959年から設置され、1963年に民主制を取り入れ、世界に散らばって住んでいるチベット人全員が選挙に投票しています。各大臣等も存在し「土地の無い国家」として、世界中で認められています。6000人以上のチベット人が住み、現在チベット仏教文化の拠点となっている町です。年々チベット仏教文化に関心を示す人々が増え、世界各国から訪れる人々が増えています。歴代のダライ・ラマ様は政治・宗教・経済、そして全ての国民の生活を仕切っておられたのですが、この14世のダライ・ラマ様は2011年に政治、経済から引退されました(今は宗教分野だけのトップ)。2011年にロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏が選挙で大統領になりました。

(この連載は毎月第1週目と第3週目に掲載。次回は10月21日号掲載)

◇ ◇ ◇

龍村ヒリヤー和子(たつむら・ひりやー・かずこ) 東洋医学医師、人道活動家、Gaia Holistic Inc代表。
兵庫県宝塚市生まれ。音楽家にあこがれ幼少時よりピアノに親しみ、桐朋学園大学を卒業するが、1961年に渡米しボストン大学・ニューヨーク大学を卒業後、音楽家ではなく国際興行主としての活動を開始、グローバルな舞台芸術と文化交流の先駆者なる。世界各国の首脳やセレブリティーが関わる歴史的記念イベントの制作・演出などにも関わり、公式な外交関係のない国家間の文化交流促進にも寄与するなど多大な貢献を重ねてきた。世界中で毎年1年2000回のプロデュースを手掛け、148カ国以上を訪れ、何度も表彰されている。
2000年より東洋医学の医師に転身、01年ガイア・ホリスティック・サークルを設立し代表に就任、07年には出版社「心出版」を立ち上げる。世界各地の避難民、戦争犠牲者、ホームレスや家庭内暴力の犠牲者などの救済を行うなど人道的活動においても多大な貢献を続けており、世界各地での慈善事業に従事する他、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と共にチベット孤児の教育活動に従事している。遠赤外線温熱療法にテラヘルツを組み合せた独自なホリスティック療法は世界的に評価されている。今は世界の会議から招待され、発表、教育をしている。
01年、9・11の米同時多発テロ悲劇のすぐ後にガイア・ホリスティック基金を創設。「212-799-9711まで、お電話ください。感謝合掌 和子」

(2017年10月7日号掲載)

●今までの掲載●


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