もっとディープなニューヨーク情報

logo

2017年 06月 24日

目標が明確になって頑張れる

バイオリンレッスン成功の秘訣〜第9回〜

 

バイオリンレッスン成功の秘訣〜第9回〜fukuda-img_3926-3

 

皆さんは普段、お子さんをコンサートなどに連れていらっしゃるでしょうか? しばしば、当教室に小さなお子さんを連れ、バイオリンを習わせたいという思いでご家族が相談にいらっしゃいます。その親御さんの思いは先生としては大変嬉しい限りですが、ナマの演奏は聞いたことのないお子さんがほとんど。テクノロジーの発達した現代ではYouTubeやiTunesなどを使い、ネットを通して簡単に色々な音楽に触れることができるようになっています。それはそれで便利で良いのですが、時にはコンサートへ足を運び、ナマの演奏に触れることをお勧めします。

例えば、ニューヨークフィルがコンサートで演奏する交響曲の響きを会場で体験するのと、同じ楽曲をCDなどの録音で聴くのには大きな違いがあります。弦楽四重奏などの室内楽コンサートを小さなホールで、演奏者の息づかいの見える距離で見ると音楽の情緒を全身で感じることができます。

バイオリンなどの楽器を習うということはまず、姿勢など、基礎をしっかり習得することが必要なのですが、このコラムでいつも申し上げてきたとおり、時間のかかる作業です。辛抱強さの強いられるその練習した果てに何が待っているのか、お子さんにはなかなか想像できません。見たことがなければ当たり前ですね。日頃から、コンサートへ行ってナマの演奏に触れ、本物の楽器の響きを聴くと、自分の目指す先(目標)がハッキリしてきて練習にも意欲が出るはずです。スポーツ観戦と似ていて、やはりプロの野球やサッカー選手のプレーを見ると子どもが「僕も/私も、あんな風になりたい!」と憧れるのと同じく、プロの演奏にインスピレーションを受けて、「いつかカーネギーホールのステージに立ちたい!」などといった目標を夢に、練習をがんばれるのではないでしょうか?

ただ、小さなお子さんを連れて夜遅くまで続くコンサートにはなかなか行けないというご家族もいらっしゃるかと思います。そのようなご家族向けのプログラムがニューヨークではたくさん行われています。リンカーンセンターでは一年を通して「リンカーンセンター・キッズ」と題して、子ども向け音楽イベント(多くが無料)が開催され、ニューヨークフィルでは「Young People’s Concerts」という名で、下は3歳から参加できるコンサートが企画されています。さらに、音楽の王道、カーネギーホールでは「カーネギー・キッズ」という、2歳から6歳の子ども向けプログラム、そして3歳から10歳向けの「ファミリー・デー」というプログラムなど、(こちらも多くが無料の)様々な、家族参加型イベントが行われています。

ネットでこれらを検索するとたくさんのイベント情報が見つかります。ほとんどが週末、無料で行われるので参加しやすいですね。ニューヨーク以外にお住まいの方も、地元の交響楽団やコンサートホール等のウェブサイトを探せば似たようなプログラムがあるかと思います。芸術の秋。この機にぜひコンサートに行ってみてはいかがでしょう?

(福田千尋バイオリン教室主宰)

福田千尋

【執筆者】ふくだ・ちひろ 福田千尋バイオリン教室主宰。東京芸大、ジュリアード音楽院を経て、ニューヨーク日系人会音楽コンクール優勝等、ヴィオラ奏者として国際的な演奏活動を続ける傍ら2005年よりハーレムの音楽学校Opus 118 Harlem School of Musicでバイオリンを教え始める。同校の若い教師を育てるためのティーチャー・トレーニングプログラムのトレーナーとして後進の指導、弦楽科のコーディネーターとしてマネージメントにも携わっている。
【ウェブ】www.chihirofukuda.com/

〈過去の一覧〉


福田千尋

〈コラム〉発表会に出ることの大切さ

特別な場で子供たちが得るものは多い バイオリンレッスン成功の秘訣〜第14回〜     発表会の季節が迫ってきました。こちら欧米では学校の年度が6月に終了となるため、夏休み前に多くの音楽教室で「End […...
福田千尋

〈コラム〉レッスンと子どもの進歩

練習中に何か進歩が見られたらたくさん褒めて バイオリンレッスン成功の秘訣〜第13回〜     毎週、レッスンをしていると時々、生徒達の進歩がなかなか感じられないことがあるのですが、数カ月前をふり返って […...
福田千尋

〈コラム〉将来への投資とは?

努力すればできるようになるんだ!ということを経験し自信に バイオリンレッスン成功の秘訣〜第12回〜     このコラムでは、皆さんにあまり馴染みのないバイオリンレッスンをお子さんが受けるにあたって、役 […...
0815-27men-sundai

〈コラム〉成績上位者の共通点

在米保護者への教育コラム 第18回 駿台 NJ校校舎長 山名健太   小学生、中学生の模試で成績上位層に入るお子様や最難関校に合格されるお子様には幾つかの共通点があります。今回は、5つの共通点についてご紹介しま […...
福田千尋

〈コラム〉バイオリンを始めるのは何歳から?

始める時期は先生に直接会って相談する事が必要 バイオリンレッスン成功の秘訣〜第11回〜     バイオリンのレッスンを始める適切な年齢というものはあるのでしょうか。教育・勉強熱心な日本人の方の中には色 […...
福田千尋

〈コラム〉ユースオーケストラなどに参加しよう

良い意味で刺激を受け、音楽的にも人間的にも成長 バイオリンレッスン成功の秘訣〜第10回〜     よく、生徒さんのご家族に「我が子は練習をしたがらず、いつもケンカになって困っている」という風な相談を受 […...
福田千尋

〈コラム〉生演奏に触れよう

目標が明確になって頑張れる バイオリンレッスン成功の秘訣〜第9回〜     皆さんは普段、お子さんをコンサートなどに連れていらっしゃるでしょうか? しばしば、当教室に小さなお子さんを連れ、バイオリンを […...
福田千尋

〈コラム〉バイオリンの先生の選び方

長く、同じ先生で続けられるよう選ぶ バイオリンレッスン成功の秘訣〜第8回〜 今回は先生の選び方についてお話ししてみたいと思います。このコラムを読んでくださっている方にはぜひとも当教室、福田千尋バイオリン教室へ! と、書き […...
0815-27men-sundai

〈コラム〉日本語の本を読むことの重要性について

在米保護者への教育コラム 第14回 駿台 NJ校校舎長 山名健太 在米中にお子様の英語力を伸ばしたいというお話をよく耳にします。たしかに、受験においても英語を重視している学校は多く見られますし、英語を身につけていれば将来 […...
福田千尋

〈コラム〉夏休み中のバイオリンの練習

普段と違うルーティンをセットアップしてあげる バイオリンレッスン成功の秘訣〜第7回〜     米国では6月末からすでに夏休み。2カ月以上の長く、楽しい期間ですが、キャンプや旅行などでバイオリンの練習を […...